Le Petit Prince À Léon Werth
Je crois qu'il profita, pour son évasion, d'une migration d'oiseaux sauvages.
À Léon Werth.
Je demande pardon aux enfants d'avoir dédié ce livre à une grande personne. J'ai une excuse sériruse : cette grande personne est le meilleur ami que j'ai au monde. J'ai une autre excuse : cette grande personne peut tout comprendre, même les livres pour enfants. J'ai une troisième excuse : cette grande personne habite la France où elle a faim et froid. Elle a bien besoin d'être consolée. Si toutes ces excuses ne suffisent pas, je veux bien dédier ce livre à l'enfant qu'a été autrefois cette grande personne. Toutes les grandes personnes ont d'abord été des enfants. (Mais peu d'entre elles s'en souviennent.) Je corrige donc ma dédicace :
À Léon Werth
quand il était petit garçon.
**************************************
彼は利用したんだと思う、脱出するために野生の鳥の渡りを。
レオン・ウェルトへ
こどもたちには許してほしいと思っている。この本をある大きくなった人間へ捧げたことを。それにはこんなきちんとしたわけがある。そのおとなは私の世界の中で一番の親友であるということだ。もうひとつのわけとしては、そのおとなはこども向けの本だとしても、全てを理解することができるからだ。3つめの理由は、そのおとなはひもじく、凍えながらフランスに住んでいるため。彼は癒される必要がほんとうにある。もしこれら全ての理由では足りなかったとしても、私はほんとうにこの本をそのおとながかつてこどもだった時のその子に捧げたいのだ。すべてのおとなたちは、最初はこどもだったのだ。(しかし彼らのうちのほんの少ししかそのことを覚えていない。)というわけで私は献辞をこう訂正する。
ちいさな少年だった頃のレオン・ウェルトへ
**************************************
>une migration d'oiseaux sauvages : 「わたりどり」のほうが自然な日本語かもしれない。
>une grande personne : 「おとな」と訳すには微妙なフランス語のニュアンスが消えてしまうのではないかと思ったので、初出時のみ「大きくなった人間」と訳し、その後は「おとな」とした。
→→と思ったら、辞書に「(子供から見ての)大人」とあった!
>Elle a bien besoin d'être consolée : 「彼には癒しが必要だ」という意訳で十分だが、あえてほとんど直訳っぽくした。
>quand il était petit garçon : ここでの petit は本来「かわいい」くらいの意味合いと思われるが、grandeと対比させたかったため「小さい」とした。
Le Petit Prince ~星の王子さま~
Le Petit Princeの邦訳に挑戦します。
原文に立ち返って読みたい、というのに加えて、過去時制に注目したい、という目的があります。
日本語としての美しさより、原文の意図をあらわせるように努めたいと思います。
素人の趣味にすぎないので、あたたかく見守って下さると助かります。練習・勉強の一環です。
過去時制を意識するために、一部動詞の文字色を変更します。
*****
複合過去・半過去
大過去
単純過去
*****
用いた版は下記の通りです。
Saint-Exupéry, Le petit Prince, Éditions Gallimard, 1999.
Le Petit Prince - Folio - Folio - GALLIMARD - Site Gallimard
カテゴリ【Le Petit Prince】で公開していきます。